風俗業界でのし上がった男~貧民Aからの脱出~

風俗業界でのし上がった男~貧民Aからの脱出~

貧困の発芽~その一例~

貧困の発芽~その一例~

大学卒業後、その証券会社の営業一筋に生きてきたY氏は、30代で年収1200万円を稼ぐようになり、40歳になる頃には営業部長の地位に就いたという。

部長時代の年収は、何と驚きの約2000万円。
もう立派な「富裕層」である。


ところがある日、両親の介護という問題にぶち当たり、独身の愛情豊かな彼は(俺が面倒を見よう)という決断と共に40代序盤で会社を退社。

当時のY氏の心中は、こんな感じだったそうだ。



(俺ならどこに行っても営業として稼げる。能力も実績も十分、楽勝だ)


何度も転職している人に比べれば転職活動もスムーズに行くはずで、例え数年介護に心血を注いでも、幾らでもリスタートは切れる――――。

ただ、その思惑は大きく外れ、彼はこの後、文字通り地獄を見ることになる。




男が夜の業界に足を踏み入れるきっかけ

男が夜の業界に足を踏み入れるきっかけ

母親は息子が介護に専念する生活を始めてすぐに亡くなったが、父親の方は寝たきりのまま、その後10年間を生きたという。

父が亡くなった時、Y氏は正直「ホッ」としたそうだ。


なぜなら両親の貯金(母親が亡くなった際、老朽化していた家は売り、親子は賃貸マンション暮らしになっていた)と、彼が大学を卒業後、コツコツと貯め込んでいた貯金、つまりは「全財産」は、すでに殆ど底を尽きかけていたのだという。


(息子としての義務はこれで果たした。営業マンに戻ろう)

久しぶりに就活を始めたY氏を待っていたのは、強烈に過酷な現実であった。

10年のブランク、車の免許以外特に資格も持たない50歳の独身男性、そして、華々しい営業としての実績――――。



自覚はなかったが、彼は「マイナス要因のカタマリ」であった。



(定年まで10年しかない人材は、当社の求めるイメージにそぐわない)
(50歳にもなって独身なのは、人間的に何か問題があるからではないのか?)
(それでなくても年齢的に頭は固いだろうに、プライドも高そうだな)

彼の拠り所であった能力や実績にしても、年齢がゆけば、企業から見れば邪魔でしかないのである。

特殊な資格を必要とする仕事であれば話は別だが、40~50代の人材に1番求められる資質は、間違いなく「素直さ」なのだ。



そして何より、本来生産社員で企業の花形であるべき「営業」という仕事は、現在、どこの大手企業も契約社員化、つまり軽視しているという現実―――。

Y氏は、完全に「浦島太郎」と化していた。

ところがそんな彼を積極的に欲しがる職業があった。



それが、「ホテルヘルス店の受付」である。




胸をはれる仕事ではないけど・・・

胸をはれる仕事ではないけど・・・

月給で手取り27万円————。


今回の就活においては、最上級といっていい給料だ。
ただ彼の場合、人生のピーク時が年収2000万円であり、比べてしまえば切なさしか覚えないような給与でもあった。



それでも、馬鹿馬鹿しいと投げてしまえば、もう彼に生きる道は残されていない。

(自殺か、路上生活か、生活保護か、犯罪でも犯すか・・・)

そんなことが何度も脳裏をよぎるほど、Y氏は葛藤した。
富裕層から庶民や貧困層への転落など、いとも簡単である。
いや、元々そこには薄皮一枚の隔たりしかないのかもしれない。



「証券会社の営業部長」
そんな肩書や権威やプライドが通用するのはその証券会社の中だけであり、彼は自分がいかに「井の中の蛙」であるかを老境に至り、思い知ったのである。


(どうやら受け入れて生きていくしかないな)


就職してしばらくは女の子たちへの接し方が硬く、当然職務に対しての熱も入らなかったものの、徐々にY氏は完全に気持ちを切り替えていった。



(仕事が終わって、TVを見ながらビールを飲める。それで十分じゃないか)

働き始めて3ヶ月が経つ頃、彼は借りていた家賃8万円の部屋を解約し、会社の独身寮的マンション(賃料2万円)への引越を遂に決意した。

「Dead Or 〇」の〇に入るものが彼にとっては「風俗店店員」なのだから、死ぬ気がない以上、覚悟を固めるしかなかったのである。


そしてその気持ちの変化が、彼の次のサクセスへの入り口でもあった。




仕事に上も下もない

仕事に上も下もない

その後、彼は誠心誠意な接客と、やる気みなぎる勤務態度を続ける。


そして2年が過ぎた頃、その謙虚な姿勢は小さな奇跡を引き起こすことになった。

ある日、女の子の接客態度へのクレーム処理に当たったY氏の柔らかい対応に感動したお客が、本部へと電話をかけたのだ。


「どうしても伝えたいことがある。社長は居ますか?」

当然社長は不在だったものの、その日、本部には運良く本部長と言う役職者が居た。

お客は本部長に対して、自分は普段からその店の常連で、いつも電話対応や受付時のY氏の態度に感動していること。


今回、Y氏のおかげで、怒りを鎮めることができたことなどを熱く、熱く語り、それは本部長の胸に深く残ることになり、道が開けるのである。



「おい、Y氏の履歴書を見せてくれ」

履歴書に唸りながら〇店に電話をかけ、Y氏にクレーム対応の御礼を述べた本部長は、続けてこう問うてみた。


「何でこんな見事な学歴とキャリアの人間が風俗店に来たの?」

Y氏は明るくこう答えたものである。



「50のオッサンに行き場なんてないです!それに、仕事に上も下もないですよ!



風俗業界の深い懐(ふところ)

風俗業界の深い懐(ふところ)

55歳になったY氏は今、店長を経て、関東エリアの統括を任されている。

現在の年収は一千万円、ただ、彼はいまだに独身寮であるワンルームを出ておらず、つつましい生活を続けているそうだ。



「ケチってるわけじゃないですよ(笑)ちゃんと部下にはしょっちゅう奢ってますし。

ただ、いい暮らし、高い部屋、高い物、お金、地位、肩書……そんなものに対するこだわりは、さすがに持てなくなったんです。

一時は本気で死ぬことまで考えるほど追い込まれたわけですから、明日貧困に戻っても大丈夫な心身で常時いることに慣れたんでしょうね(笑)

成功と貧困は紙一重です。
それを知ったら人間、上も下もないと気が楽になりますよ。


若い人で仕事に悩んでいる方たちは、この業界に来て欲しい。

風俗業界って、本当、いい業界ですから」

Y氏は年齢的に独立は考えていないというが、風俗業界にはビジネスチャンスが無数に転がっているそうだ。迷えるそこのアナタ、ぜひ、ご一考を――――。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です